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シンガポール:17日にジャランベサルスタジアムで行われたAFC U-17選手権決勝、スーパーサブの河野広貴の最後の7分間での2得点によって日本が北朝鮮との試合を延長の末4-2で制し、12年ぶり2度目の優勝に輝いた。 前回大会でも決勝まで進出しながら中国に0-1で敗れていた北朝鮮、早い時間帯に2点のリードを奪ったものの、今大会黒星を喫していないライバルが後半猛反撃を見せ、90分を終えた時点で2-2となった。 北朝鮮は開始直後の6分にオ・ジンヒョクが、さらに24分にはリ・サンチョルが追加点をあげ、キム・ムンチョル監督率いるチームが勝負を決めたかと思われた。しかし後半、セレッソ大阪の柿谷曜一朗が57分に1点を返すと、78分には端戸仁が同点とした。さらに、河野裕貴が113分に勝ち越しゴールを決め、その7分後にダメ押しとなる4点目も獲得、優勝を決めた。 日本にとっては1994年大会の決勝でカタールを下して以来、12年ぶり2度目の優勝。 開始25分で2点のリードを奪った北朝鮮が優勢のまま前半を折り返した。これまでの5試合でわずか4失点の日本にとっては予想だにしなかったスコアだったかもしれない。 北朝鮮の1点目はラッキーなものだった。オ・ジンヒョクの20ヤードの距離からのシュートが日本DFに当たって方向が変わり、GK廣永遼太郎の動きと逆の方向に跳ね返ってゴールに吸い込まれた。2点目はリ・サンチョルが日本のディフェンダーをかわしてゴール正面ペナルティエリア周辺から放った低いシュートが廣永の届かないコースに決まった。 前半も日本が圧倒的にボールを支配していたものの、北朝鮮DFが堅い守りで決定的な場面をなかなか作らせなかった。日本はこの試合、柿谷、岡本知剛、山田直輝、水沼宏太の4人を中盤にそろえてスタート。彼らはこれまでの試合、非常に効果的な役割を果たしていたが、それぞれ3得点を挙げている4人組、キャプテンのアン・イルボン、リ・サンチョル、リ・ミョンジンそしてオ・ジンヒョクらを擁するコンディションが最高の北朝鮮が日本の攻撃の芽をすばやく摘み取っていた。 日本はしかし後半、柿谷がマジカルな個人技を見せて1点を返した。山田からのパスを左サイドペナルティエリア前で受けた柿谷が北朝鮮のDFをボールを浮かして抜いたかと思うと右足のアウトサイドでファーサイドに鋭いシュートを突き刺した。北朝鮮のGKオ・ミュンスンもこのボールをさわることができず、柿谷は大会5本目のシュートを決めた。 リードをさらに広げようと後半、攻撃的に北朝鮮が出たことによって、日本により攻撃のチャンスを与えることになり、柿谷とその仲間たちが追う点差はより追いつけそうなものとなっていた。 65分には大塚翔平が右足での強烈なミドルシュートを放ったが、ゴールのわずか上に外れ、得点ならず。また、すばらしい得点の5分後、ダイビングの反則を取られてイエローカードを受けていた柿谷だったが、中盤からの完璧なスルーパスを直前に交代出場した右サイドから走りこんできた端戸にパス、端戸がこれを左足できれいに北朝鮮GKの足元を抜くシュートで右サイドに決めて試合を振り出しに戻し、スタジアムに集まった日本の応援団は歓喜の渦に巻き込まれた。 延長戦、北朝鮮が積極的に攻撃し、97分にアン・イルボンがペナルティエリア内で抜け出し、フリーとなってゴール正面からシュートを放ったが、廣永がかろうじて弾き、得点ならず。また、104分にはリ・ミョンジンが日本DFを抜いて左サイドペナルティエリア内から右足でグラウンダーのシュートを放つもわずかにゴールの逆サイドに外れた。 この2本の決定機を決められなかった北朝鮮が延長後半に大きな代償を払うこととなった。 113分、途中出場の河野と水沼がすばらしいコンビネーションを見せ、北朝鮮ペナルティエリア正面付近で細かいワンツーをつなぎ、河野が抜け出して10ヤードの距離からゴール右に強烈なシュートを突き刺した。 残り7分で何とか同点にしようと北朝鮮は必死に攻撃するが、ほぼ全員が日本陣内に入って攻撃をしたもののボールを奪われ、逆に日本がカウンターで長いボールを前線に送り、前で待つ端戸が頭で後ろにそらした。そこへ走りこんでいた河野がドリブルで独走、最後は北朝鮮GKが出てきたところを冷静にゴールに流し込み、決定的な4点目を挙げた。 日本はフェアプレー賞を始めほとんどの賞を独占。柿谷は大会MVPに輝き、シリアのストライカー、モハメド・ジャーファルが通算6得点で大会得点王に輝いた。 日本の城福監督はうれしさを隠せない様子で「今日の決勝は今までの総決算を見せ、とにかく自分たちのサッカーをしようとスタートした。ハーフタイムを0-2で迎えたが、自分たちがやろうとしているサッカーは出来ているので、自分たちのやっていることを信じ、あわてないようにと選手に話した。」と語った。 そして、苦しい出だしとなった試合を振り返りつつ、「後半早い時間に柿谷が1点を返したことで、あとあと(2点を返さなければいけないという)焦りを生まずにすんだ。あの得点が試合のターニングポイントだったと思う。しかし、もちろんあのゴールは彼一人の力で生まれたわけではない。今までの選手たち、そしてコーチングスタッフ、メディカル、全てのチームにかかわってくれ、これまでの準備に力を尽くしてきた全員の努力によって、チームの力をここまで上げることができたのだ。」 アジアの優勝チームとして出場する、来年韓国で開催されるFIFA U-17ワールドカップまでの道のりについて、「まだ、我々が目指す、人とボールが動くサッカーをするためにはまだまだ満足できないところがある。我々も、選手たち自身もそう感じている。今大会に出場した選手たちはこの期間にこの特別な経験によってすばらしい成長を遂げたとは思うが、来年の世界大会までに今の選手を脅かすような新しい選手が出てきてくれることも期待したい。」と今後の課題についても言及することを忘れなかった。 そして、「自分たちは日本人に最も適したサッカーをやっていると思っている。これが世界でどこまで通用するのかが来年試されるだろう。」と締めくくった。
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